晴れときどき二胡

ケ・セラ・セラな 日常と、ときどき二胡のお話です

 

伝統工芸品展

今年も残すところ、いよいよあと2日となりました。
年末の買い物を兼ねて、大阪梅田へ出かけてきました。
梅田界隈は年末とあって、沢山の人が行き交いしていました。まさに師走の風景ですね。
ブラブラと阪急百貨店の中を歩いていると、「国の伝統工芸品展」が開催されていましたので
ちょっと覗いてみました。

主に北国の伝統工芸品が中心のようです。
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有名な山形県天童の将棋駒です。数十万円の値札もありました。
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木の工芸品は温もりがあっていいですね。
特に北国の伝統工芸品は、「濃い」目の味わいで、私は結構好きです。

南部鉄瓶。祖父母の家にありましたね。
そういえば我が家のすき焼き鍋もそうだったような。(笑) 使い込むといい味わいになります。
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石灯籠づくりの実演です。
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シンプルな赤と黒の色遣いが、魅力的ですね。

工芸品をとても全部はご紹介できませんが、私はこの日は新しい箸を購入しました。
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津軽三味線のライブ演奏もあって、「津軽じょんがら節」が、なかなかの迫力でした。
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私は北海道出身ですが、父方の曾祖父以前は津軽の弘前藩がルーツですので
津軽三味線を聴いていると、何となく血が騒ぐようです。(笑)

皆様、よいお年をお迎えください。


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新しい松脂

まだ見ぬ素晴らしい松脂との出会いに期待して(性懲りもなく…)
バイオリンを弾く方々のWebサイトなどで、時々話題になることがある松脂を
2種類購入して試してみることにしました。

「Jade (ジャダ)」(フランス製)

「黒猫」という愛称で有名な定番松脂を造っている、フランスのミラン社製です。
英語読みでは「ジェイド」ですが、翡翠の色に似ているからこの名がついたのか
商品名を考えてから、それらしい緑色にしたのかは定かではないのですが
まあとにかく抹茶ういろうみたいな、今までにない珍しい色の松脂なのであります。(笑)

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この松脂のユーザーからの口コミ評判には
「比較的柔らかく弓に着きやすく塗りやすい」
「気をつけないと塗りすぎることもある」
「ベタつかずサラサラしている」
「サラッとしているが弦への食いつきはよい」
などがありまして
サラサラ感とグリップ感の両立を求める私としては、ちょっと気になって購入したわけです。

実際に使用してみた感想は、なるほどサラサラ感もグリップ感も適度にいいバランスで
両立していると感じました。音の立ち上がりもガツンという食いつきではなくソフトです。
それよりもこの松脂の特徴として最も私が感じたのは、音に含まれる高い周波数の倍音成分が
マスキングされて、主音を中心とした周波数の倍音成分が際立って聴こえるような印象が
あるということです。
つまり、例えばA(440Hz)であれば、整数倍の周波数(440,880,1320,1760,2200,2640,…)
の倍音成分のうち、人間の可聴領域である20000Hzぐらいまでの成分がミキシングされた音が
私たちに実際に聞こえてくるAの音です。そのミキシングのバランスによって音質は変わります。
アンプなどのイコライザで例えると、trebleを上げると音の抜けがよくなるが上げすぎると
キンキンする、bassを上げると音が太くなるが上げすぎるとこもった音になる、のような関係です。
この松脂は高い方の倍音成分を幾分抑えることで、角の取れたまろやかな音質となっています。

一方、私が日頃よく好んで使う音質表現に「クリアな」とか「よく通る」などがありますが
この場合はどちらかと言うと、高い方の倍音成分が強調されたミキシングであると思っています。
「Jade」はいい松脂ですが、私的には少し微妙かなと感じました。あくまでも「好み」の問題です。

この「Jade」は尖った雑音も抑えるような感じもありますので、角が取れていない新しい楽器や
「サラサラ」「程よい食いつき」「マイルドな音質」を求める方には最適かと思います。


「Laubach Gold (ラウバッハ ゴールド)」(ドイツ製)

弓工房として有名なドイツLaubach社が製作しているオリジナルの
高級松脂シリーズです。
100%天然の樹液と、99.9という高純度の
金粉が使用されています。
「金粉入り」というのに惹かれて、つい購入してみました。(笑)
パッケージもなかなかゴージャスな感じですね。箱の蓋には磁石がついていてgoodです。

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金粉を使った松脂は、他に「リーベンツェラー」や「ピラストロ ゴールドフレックス」などが
有名ですが、金粉の効果としては、金粉を核にして松脂が付き引っかかりがよくなるという説や
サラッとした独特の吸い付き感が得られるという説などがありますが、どちらも表現が違うだけで
同じことを言っているのかも知れません。

実際に使用してみた感想は、弾いていて非常に心地よいフィーリングです。
前出の「Jade」よりもさらに強めのグリップ感があり、一方でベタつく感じは全くありません。
この独特のフィーリングはやはり金粉のなせる技なのでしょうか。
本体の松脂も秀逸だと思います。倍音成分をあまねくバランスよく引き出してくれる感じです。
私の好きな松脂Best5のうち、私が最も良く使用する「ラーセン」と「J.F.ラファン」は
妥協を許さない、高音域の抜けの良いクリアな音質と言う点で、別格だと感じていますが
この松脂はその2つに比べるとその滑らかさからか、ほんの少しだけマイルドなタッチが感じられる分
優しさや品の良さといったような音の雰囲気が出るように思います。
これは我が松脂の2強に伍して、3強の一角に連なる逸品かも知れません。
しばらく使ってみて、いろいろな楽曲の表現との相性を吟味してみたい松脂ですね。

松脂はこだわれば本当にキリがない、かといって無視できるほど違いが小さいわけではない。
絶対的な正解はなく、つまるところ演奏者との相性次第と言って過言ではないと思います。
最初に二胡に付いてきた松脂を使い続けている方も居られます。それもある意味幸せかと…。

ご参考「私の好きな松脂Best5」

「ラーセン」(デンマーク製)
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「J.F.ラファン」(フランス製)
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「ギヨーム」(フランス製)
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「メロス」(ギリシャ製)
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「アルシェ201 solo」(日本製)
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松脂関連のTipsいろいろ

私のちょっとした工夫例などをご紹介します。

私は演奏終了後は琴弓を二胡から必ず外します。琴弓を外した状態で松脂も塗りますが
ペットボトルのキャップを部屋のあちこちに貼付けてあります。
ここに琴弓の先端を固定して松脂を塗ると、圴一の力で表裏ムラなく塗り易いので重宝しています。

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合成

松脂の粉は毎回必ず落とします。その時に便利なのがこれ。
これは100円ショップで手に入るシェービングブラシです。毛が柔らかすぎず固すぎず
いろいろな隙間や、琴棹と弦の間にもアプローチしやすく、二胡掃除には絶妙のバランスです。
数千円もする高級品も試してみましたが、柔らかすぎ上品すぎて、使い物になりませんでした。
毛先に松脂が付着してきますので6ヶ月ぐらいで新しいものに替えます。
我が家には大人買いした15年分くらいのストックがあります。(笑)

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松脂をブラシで落とした後の仕上げに使うのが、このハンドタオル。
これも100円ショップで売っている正方形のものです。最近はフワフワ感もありしっかりとした
日本製の良い製品が、本当にベストプライスで手に入ります。
これを2つ折にしてループを縫い付け、いつも机につけたフックに吊るしてあります。
松脂の拭き取り仕上げ用と、オイルなどを使った手入れ用は色違いで区別しています。

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最後に二胡の木部手入れ用のオレンジオイル。柑橘類の皮に含まれるオイル成分です。
ギターなどの木製楽器の手入れ用として有名です。蜜蝋(ビーズワックス)を加えた製品もあります。
以前は英国製のアンティーク家具用カルナバワックスを使っていましたが、こちらの方がいいです。
しつこい松脂も一発でクリーニングでき、木部保護や、つや出しができます。

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オレンジの良い香りがしますが、苦手な方は類似商品でレモンオイルもありますよ。
私の老師はソチラ系を使っておられます。
ちなみにイチゴ風味やメロン風味はありません。(笑)


Lupin (ルパン)

古代エジプトの壁画にも登場する、アビシニアン種の名門の血統に生まれた誇り高き猫。
我が家のスーパースター。その名はLupin。
賢く、すばしこく、人なつこく、食いしん坊で、美しき猫。その名もLupin。

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ルパン

2012年12月19日12時45分 永眠。享年 22歳1ヶ月14日。ありがとう。Lupin。
Lupinを知る多くの皆様の、生前のご厚情に心より感謝申し上げます。

合掌


芸術的弓魚

以前、琴弓の話のときに馬尾を引っ掛ける「弓魚」を芸術作品のように
造っておられる方がいらっしゃる、というお話をしました。

そのご本人、M県在住で二胡教室も主宰されておられる、Mさんから
芸術的弓魚を2つ譲り受けましたので、ご紹介したいと思います。

早速、現在メイン二胡で常用している琴弓に取り付けてみました。なかなかに決まっています。
両方の弓魚とも、私の手や琴弓にぴったりとフィットするように若干の加工調整をしています。
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上の弓魚は「レッドアバロン貝」と本黒檀のハイブリッドです。
この貝は北米のカリフォルニアの沿岸で採れるアワビ貝の仲間で、
大きいものは、40〜50年で直径30cm以上にも成長するそうです。
少し紅い色が入っていてとても綺麗ですね。本黒檀との組み方の配置も絶妙です。

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下は、「メキシコアワビ貝」と銘木ウェンジュのコラボレーション。
この貝はその名の通りメキシコ湾からカリフォルニア海南部でとれ、
別名「クジャクアワビ」とも言われています。
こちらはウェンジュとのシンプルな貼り合わせですが、
ゴージャスな輝きが何とも言えぬ味わいを醸し出していますね。

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弓魚は奏者の意思を琴弓と馬尾に伝える大切なインターフェースなのですが、
ただ別にここまで拘らなくとも、ちゃんと二胡は演奏できます。まあ気持ちの問題かな。(笑)

しかし余談ですが
貝で造られた弓魚は木材主体のものよりも、ほんの少し(5gくらいかな)重量が増すようです。
琴弓では、この5g程度が大きく奏者が体感する演奏フィーリングに影響することがあります。
例えば、手元が重い棒と、先端が重い棒では、先端を動かす機動性が違ってきます。
手元が重い琴弓は、先端まで含めた取り回しがキビキビできるように感じられます。
また特に外弦に対する自然な圧力も変化しますので、音量や音質に影響が出ます。
私は、数十グラムまで少しずつ段階的に、手元や先端に重りを増やして試して弾いてみましたが
ほんの少し5〜8g程度手元を重くすると、私的には好みの音やフィーリングになるようです。
私が少量の鉛の板を琴弓に装着して微調整することが多いのは、そういう理由からです。

お話をもとに戻しますが
下の写真が、「メキシコアワビ貝」の原貝です。
直径17cmほどのものですが、結構いい値段がします。

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実は私はつい調子に乗って、鹿児島のルアー材料店から取り寄せてしまいました。
何に使うかって ?
それはもちろん、芸術的弓魚づくりにチャレンジするためです。
加工が難しそうなので、まぁ、いずれそのうち、チカイウチ……ですけれどね。(笑)


梅田探検

今年は、何だか一足飛びに真冬がやってきたという感じです。
我が街の風景も、すっかり冬景色となりました。
ここ数日で木枯らしが吹いて、文字通り枯れ葉の山をつくってしまいました。

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しかし一方で、ヤブツバキは深い緑のままでしっかりと花の蕾(つぼみ)をつけています。
もうじき鮮やかな深紅や純白の花をいっぱい咲かせることでしょう。楽しみです。

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私は時折、世の中の動向をチェックするために大阪の梅田界隈を探索することにしているのですが
今日は久しぶりの探検日です。

梅田もここ1〜2年で大きく変貌しましたが、去年オープンした大阪ステーションシティの
北側に位置する梅田北ヤードの開発も来春のオープンへ向けていま急ピッチです。

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そして先月には、ご存じ老舗の阪急百貨店梅田本店が全館リニューアルオープンしました。
この威容です。不覚にもおのぼりさんみたいに口を開けて見上げてしまいましたよ。(笑)

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さてこの阪急百貨店には雑貨好きの私としては、ちょっと気になる場所があると聞いて
さっそく探検してきました。それがこの10FにあるUmeda SOUQ (うめだスーク)です。

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9Fの祝祭広場から吹き抜けで上がれるようになっています

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規模は1フロアのみですが、東急ハンズとLOFTを足して2で割ったような感じですね。
雑貨やステイショナリー関連などのShopが色々とあって見て歩くだけでも楽しいです。

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ペンの専門店です。いやー何か衝動買いしてしまいそう。(笑)

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これは楽器のミニチュア専門店。スゴく精巧です。

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他にings (イングス)や日用雑貨のフロアも覗いてみました。

おっ。大好きなOnitsuka Tigerだ。
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あっ。
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ほぅ。
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へぇ。
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何とか衝動買いを抑えて、ヒーハー言いながらB2までやってきました。
でもデパ地下も、私は大好きなんだなぁ。(笑)
このデパ地下、向こう側が見えないぐらい広いです。

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夕食の材料を仕入れて、本日の探検はこの辺りで勘弁してやることにしました。(笑)

お腹が空いたので北新地へ移動して、私のとっておきの「隠れ家」へ。
『新乾山』でひとりでセレブランチです。(笑)

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ここの穴子握りはもう絶品。日本一いや世界一旨いです。とろけます。

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梅田探検記でした。


二胡弾きの隠れ家

私の普段の二胡ライフについてお話しすると
老師の個人レッスンのための予習や宿題なども含めて技巧練習曲、考級曲や演奏会用の曲など
毎日5〜6曲を練習しています。

今、私が演奏会用に取り組んでいるのが、劉天華作曲の「病中吟」。
劉天華が20歳の1915年から構想をあたため、8年後の1923年に決定稿が完成しました。
「病中吟」というタイトルは「病気にかかって呻吟している」という意味ではなく
当時の中国の社会状況と、それを憂う自己の深い心の悩みを表現したものと言われています。
劉天華の他の曲も皆そうなのですが、なかなかに奥深く、技巧を超えた表現者としての
力が試される曲だと思っています。
この1年ほどは劉天華の魅力に取り憑かれて、ハマり込んでしまっています。(笑)

「病中吟」五線譜版。これはピアノ伴奏の確認用です。普段は数字譜を使います。
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数字譜はこちら。ボチボチ書き込みが増えてきました。
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余談ですが、この曲の前に半年間弾いていた、同じ劉天華の「閑居吟」は楽譜がこんな有様に。
この曲は1000回以上弾き込みました。が、もうすっかり忘れちゃいました。(笑)

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閑話休題。

「二胡弾きの隠れ家」

怪しいタイトルですが、今日は私の二胡環境を、本邦初公開しようと思っています。(大袈裟な)

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散らかっていて恥ずかしいのですが、私の部屋の一隅にある二胡練習コーナーです。
駒を製作したり、二胡の調整をする時の作業机に早変わりしたりもします。
ここは二胡の練習に打ち込めるように色々な工夫をしています。

まずご紹介したいのは、この凸面鏡。

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その昔、ゴルフスィングをチェックするために購入したものですが、全身を映せるため
今は二胡の演奏時の姿勢全体のチェックに使っています。
十字の形に赤い基準線が入っていて、体幹のブレや運弓のブレなどのチェックに大変便利です。
でも老師からは相変わらず「右肘と手首の使い方が…」とダメ出しされていますが。(笑)

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こちらの小さい鏡は、主に左手の動きや形をチェックするのに使っています。
従って、椅子に座ったままの状態で二胡の演奏時の大事なポイントとなる部分のチェックが
この2つの鏡で容易にできますので大変重宝しています。
ま、鏡を見てウットリとしてしまわないようには気をつけています。(笑)

机の前に貼ってあるのは、手作りの各調別のフィンガーリングのポジション表です。
二胡の数字譜は各調によってドレミファの位置が変わる「移動ド」方式ですので
もの覚えの悪い私にとって、これはもう絶対に欠かせません。

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さて机の上にはチューナーや伴奏再生用のipadの他にも、色々な秘密兵器があります。

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下の写真はドラムマシーンと呼ばれている機器です。
各種打楽器の音源をパッドで叩いて入力することで、好きなリズム好きなテンポで
自演セッションを簡単に作ることができますので、それを再生することで
二胡の練習時にメトロノームの代わりに使えます。
メトロノームだと意外とリズムが取りにくかったり、練習が味気なかったりするのですが
これを使えばロックでもR&Bでもバラードでもお好みのドラムサウンドをバックにノリノリで
練習ができるという優れものです。二胡の練習が本当に楽しくなりますよ。

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そしてこれはボイストレーナーと呼ばれている秘密兵器です。
市販のCDを再生するときに、キーやテンポが自由自在に変えられます。
ボーカルや主旋律の音量だけを小さくしてカラオケのように再生することもできます。
再生した音をパソコンにつないで取り込んでCDに焼くこともできます。
自分の好きなテンポで伴奏CDを作りたい時などに大変重宝します。
「塞馬」の練習のときなどは、♩=90くらいから、本来の速さの♩=160まで5ピッチ刻みで
伴奏CDを作って遊びながら楽しんで練習できました。

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二胡コーナーの反対側には私のパソコン関連のデスクがあります。
ここで音楽データの編集やこのブログを書いたりしています。
とっても居心地のいい、私の「秘密基地」です。(笑)

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とまあ、こんな感じでマイペースで二胡ライフを楽しんでおります。
二胡っていいですね。

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                               王根興 作「荷塘月色」

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


二胡の話 (part2)

今日は二胡の話の続きです。
私の愛蔵の二胡たちのうち、さらに2把をご紹介したいと思います。

右が江蘇省無錫の名人、陸林生 (りく りんせい) 製作の二胡。
左が江西省九江の名人、辜存雄 (こ そんゆう) 製作の二胡です。

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まずは陸林生の二胡。

無錫市は蘇州市に隣接し、太湖という大きな湖に臨む長江デルタの都市で、蘇州二胡の名産地です。
「無錫旅情」という演歌が日本では25年ほど前に流行りました。ご記憶の方も多いと思います。
この街には二胡製作の名人・巨匠と呼ばれる作家の数多くの工房があります。
陸林生もその名人の一人です。

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琴胴には「古稀名人 陸林生が丙戌の年に製作した」という銘が銀線彫刻されています。
つまり1936年生まれで70歳になる名人の陸林生が
丙戌(ひのえいぬ)の年=2006年に製作したという意味になります。
この特別仕様の二胡は、陸林生の古稀記念限定バージョンということで大変貴重な1把だと思います。
現在ではこのバージョンはもう手に入らないのではないかと考えられます。

使用されている材質はアフリカ小葉紫檀とよばれる、西アフリカのコートジボワールなどで
産出される紫檀材です。近年、乱獲からの資源保護のため印度小葉紫檀の輸入が制限されている中
よく似た性質の材料として二胡で使われるようになりました。
紫檀二胡では印度小葉紫檀が最高級材とされていますが、伝統的に王朝時代の宮廷家具などで好んで
用いられていたことや、現在の入手困難な状況なども反映しているかと思います。
アフリカ小葉紫檀は印度小葉紫檀に匹敵する品質なのですが、これも乱獲が懸念されています。
陸林生は最高級の二胡にもこのアフリカ小葉紫檀を好んで使うようです。

この二胡はさすがに名人陸林生製作の作品だけあって、典型的な蘇州二胡の味わいを持っています。
音色は倍音が幾重にも含まれているような、温かみと哀愁のあるテイストです。

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無題

琴棹に銀線彫刻で描かれているのは
唐の詩人、王維の五言律詩「山居秋瞑」の一節と、それを画にした情景です。
   
   空山 新雨の後
   天気 晩来秋なり
   明月 松間に照り
   清泉 石上に流る
   竹喧しくして 浣女帰り
   蓮動きて 漁舟下る
   随意なり 春芳の歇やむこと
   王孫 自ら留まる可し

   人気のない山に、新たに雨が降った後は、
   夕べともなると、いよいよ秋らしい。
   明るい月が松林の間に照り渡り、
   清らかな泉が、石の上を勢いよく流れている。
   何だか竹がざわめくと思ったら、せんたく娘がお帰りなさるらしい。
   また、いやに蓮が動くと思ったら、なるほど漁舟が川下に下ってゆくのだった。
   春の花は、勝手に散ってなくなるがいい。
   若旦那は、そんなことに構わずに、ここでじっとしているから。
 
                        『都留春雄「中国詩人選集・王維」より引用』 

二胡に彫られる漢詩の中でも、この詩は特に好まれて彫られているようです。
私は大学の卒論が「王維論」でしたので、彼の詩に出会うと非常に懐かしさと親しみを覚えます。

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余談ですが、日本で活動している二胡奏者の陳敏 (チェン ミン)が愛用しているのも
陸林生の二胡です。私のものと同じ型の二胡で弾いたアルバムも出ています。
ま、同じ二胡でもチェン ミンが弾くのと、私が弾くのとでは、まさに月とスッポンですが…(笑)


続いて、辜存雄 の二胡。

二胡は大別して、蘇州二胡、北京二胡、上海二胡などが代表的であると
前回お話ししましたが、実は二胡の製作はそれ以外の地域でも行われています。
例えば天津、武漢などにも著名な製作家がいます。
長江を内陸部に遡った江西省九江市の辜存雄 (こ そんゆう)もその一人です。

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写真を見ていただいて、お気づきのように彼の二胡の特徴は
そのフォルムと二胡の内部構造にあります。

伝統的な二胡の六角形でも八角形でもない独自の形に、彼はチャレンジしたようです。
さらに横からのフォルムを見ても琴胴部分がギュッと絞り込まれた上で、両端に開口していて
何かラッパのような管楽器を連想させるところがあります。
琴棹も胴体を貫通しておらず、琴胴上部に接合されています。
各部位がかなり肉厚に造られていて、二胡を構えたときにはずっしりとした重量感があります。
これは二胡の音質や音量の向上を追求した結果、辜存雄なりの結論なのでしょう。

この改良の効果は絶大です。
私はこの二胡を、東京は神田の楽器店で手に取って試奏したときの驚きを忘れられません。
まるで高級スピーカーから飛び出して聞こえてくるような素晴らしく豊かな音量と
バイオリンのようなキリッと研ぎ澄まされたようなクリアな音質。こんな二胡があったのか。
もうビックリしました。そして間髪を入れずに言いました。「これください」と…。
そしてこの二胡は、その日の新幹線で東京から神戸へ移住することになったのです。(笑)

この二胡の改良点は他にもあります。
琴胴と琴棹の結合部の形に創意を加えて、琴弓が棹に触れにくいようにしています。

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また伝統的二胡に見られる白い牛骨細工を一切使わず、
シンプルさが持つ美しさをとことん追求しているようです。

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この二胡は2003年8月の製作で、材質はアフリカ小葉紫檀 です。
後から調べて判ったことですが、辜存雄がこの型を2003年に完成した直後、
2004年の中国の二胡制作コンクールで、六角胴部門で見事にこの二胡で一等を獲得しています。
その後、辜存雄は現在に至るまでこのタイプの二胡をさらに改良しながら少量生産しています。
現在では、この新型二胡の初期のタイプのものは作られていません。中国の楽器店でもあまり
見かけないようです。多分、世界の愛好家の収蔵品として大切にされているのでしょう。

彼は、自分で満足のいく作品ができたときには一把一把に固有の命名をするのですが
この作品にも「雙陽」(そうよう=ふたつの太陽または陽気)と命名しています。
二胡の進化の歴史の一こまを垣間見させてくれるような大変貴重な逸品と出会ったと思っています。

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また長々とお話ししてしまいました。
ここまでお付き合いいただいた方、大変ありがとうございました。


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Oyran

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